2006年04月24日

第13章 桔梗屋

大冒険を終え、俺は自分の部屋に戻り、一休み。

やはり普段の運動不足か、歩き通しで足が痛い。

俺は万年床である掛け布団の上(本当に情けないわ)に倒れるように横になり、しばし物思いに耽った。

テレビもないし、音がないって本当に寂しいなぁ〜、何となく刑務所の独居房にいるようだ・・・(勿論、入った事はないが(笑))。

目覚まし時計の秒針の音がやけに耳につく。

頭の中で日本にいる家族とか友達の顔がよぎる・・・や、やばい、もうホームシックにかかりそうだ。そんな思いのまま俺は知らない間に寝てしまっていた。


コンコン!「ジョンホヤー、シクサ、シクサ。」
おばさんの声で起こされた。シクサ(食事)って単語は下宿で覚えた。


半分寝ぼけた状態で食堂へ向かう・・・。中2階でペクさんと会った。

「ジョンホ、どこ行ってたんねん?下宿のおばさんと心配してたんやで〜。」

俺は心の中で、『下宿のおばさんは心配してたかも知れないが、このおっさんは絶対に心配しとらん』と思った。だって今起きました・・・って顔してるから。



食堂に入りいつもの席に座る。

んっ、見慣れないおじさんがニコニコ顔で座っている。誰だろう・・・?
そのおじさんが
「こんにちは、下宿のパパです。」
と日本語で言った。


下宿のパパ〜?あ〜おばさんの旦那さんか・・・。俺は日本語で

「名古屋から来ましたジョンホです。よろしくお願いします。」
と言ったところ

「私、日本語少し話す・・・でも日本語わからない・・・。」
ど、どっちやねん!後におじさんの日本語能力は殆ど皆無と判明したのである。



このおじさんは、初対面の時こそニコニコしていて好印象だったが、次第にケチで口うるさいことがわかってきて、俺が『桔梗屋のオヤジ』とあだ名をつけ、それが後に語学堂の生徒の間で有名になった。


本人は桔梗屋と呼ばれてもどう言う意味かわからないまま、よほどそのあだ名が気に入ったのか、それから自分を日本人に紹介するときは「my name is 桔梗屋オヤジ」と言っていた。(笑)

勿論それを聞いた日本人達の反応は・・・『???』であった。
知らぬが仏、俺が帰国するまで、みんなから、桔梗屋と呼ばれ愛された(?)彼に、『桔梗屋』の本当の意味を教えた者はいなかった。



夕食は、メインがキムチチゲ(この下宿は必ずチゲとかのスープものがメインであった。)
あとは、ナムル系、またまた生の野菜スティック、小魚の甘辛和え(これは美味かった、うちの下宿のおばさんの十八番料理である。)



ちなみに俺はキムチチゲが苦手である。

辛い料理は大好きだがキムチチゲだけは、いまだに好きでない。理由は・・・ない。鍋に入れたキムチが苦手なだけである。(ちなみにプデチゲは大好きだが、中のキムチは食わない。)


しかし、メインを食わないわけにはいかないので、下宿では黙って食べていた。


横のペクさんは好き嫌いがないらしく何でも美味そうに食べる。まあ、食べる、寝るの作業がなければペクさんじゃないけど・・・



さて、桔梗屋のオヤジは、そそくさと食事をして、お茶を飲みながらジッとこちらを見てる。
何か言いたそうなのだが、言葉が通じない・・・。お互い場がもたないのである。

結局オヤジさんは、「チャル モゴッタ(ごちそうさま)。」と言い、食堂から出て行った。



俺は何かホッとした。オヤジさんがいると緊張してしまう。

俺はペクさんに

「ペクさんはオヤジさんと会うの初めて?」
と聞いたところ

「いや、2回目や、初めて下宿に来たときに、おうたよ。」

「何かとっつきにくそうなおやじさんだね?」
と言ったところ

「まず、家にいない人やけどな、仕事は建築関係らしいで。」

「へえー、そうなんだ。」




今日は何か疲れて、俺も食事を済ませ、自分の部屋へと戻った。




おまけ


桔梗屋利兵エ:
一休さんに出てくる幕府御用達米問屋。ケチで意地悪でいつも一休さんをいじめる、しかし、一休さんのトンチにいつも負ける。将軍様に媚を売る。
娘の弥生も悪知恵が働き、二人で共謀して悪巧みをはかるもなかなか成功しない。
posted by ジョンホ at 16:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 留学生活日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一休さんってなつかしいー♪
Posted by yui at 2006年04月26日 09:44
ㅋㅋ(^^)「一休さん」って…(^ー^) 我が家もチゲが続いてます…(−−#)おいしいので食べますけどね
Posted by KIMIE at 2006年04月26日 14:37
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