俺は元来酒が弱い。ビール1杯で全身にジンマシンができるほどであった。
試験は終わったが、実際に学校が始まる10日まではとにかく暇で、下宿生同士飲むしかないのであった。
韓国ではビールよりマッコリ(濁り酒・どぶろくの様な酒)が学生の間で飲まれていた。
それは何故かというと、なんてたって安いから・・・!
1. 2リットルのペットボトルで1,100ウォン、貧乏学生にとっては最適な酒である。
味はヨーグルトっぽく(発酵酒なので)飲みやすい。アルコール度数も6度程度とそれほど高くはないのである。
ただ飲みやすいために飲みすぎる・・・、すると足をとられる・・・、二日酔いもひどい。
何度もひどい目にあった。
ちなみにマッコリの上澄みはドンドン酒といい、少しだけ高級である。(でも安い)
下宿では学校が始まる10日まで毎日マッコリパーティー、ペクさんの部屋、中尾氏の部屋、ひとみちゃんの部屋、俺の部屋で・・・。
マイケルさんは参加しなかった・・・、というより誘い辛くて・・・、誘えなかったというのが本当である。
後に知ったことだが、マイケルさんは、
「みんな、俺を誘ってくれない・・・」
と下宿のおばさんに愚痴っていたらしい。
この毎夜のパーティーで、我々下宿生同士は強烈な信頼関係を築くことができたのである・・・?多分・・・。
ちなみに、中尾氏は飲むとすぐに服を脱ぎたがり、慶応の校歌を唄い、ペクさんは演歌を唄い始める。
ペクさんの十八番は「越冬つばめ」森昌子、であった。
ひゅーるりー、ひゅーるりらら♪
ひとみちゃんは、すこぶる酒が強い、飲んでも変わらずの下宿生ナンバーワンの酒豪であった。
つまみは、毎日キムチ。キムチのみであった。(下宿の冷蔵庫からかっぱらってきていた・・・)
この愉快な仲間たちのおかげで、あっという間に語学堂の始業の日を迎えることができたのである。
顔はめちゃめちゃ上品なのに・・・
でも最近、韓国人化してるよね。